「 おけいこ日記 」一覧

4月前半のお稽古まとめ:真之行台子、大円之真(見学)など

4月1回目土曜クラス(4月7日)
5月13日に初夏の茶会が決まったので、この日は炉と風炉が混在するお稽古場だった。炉は、小間とA’スペース(置き炉)で、小間では大円之真、廊下(A’スペース)では、大円之真と真之行台子のお稽古が行われた。
大円之真は初めて拝見するお点前。ほとんど古袱紗で器物を清める。古袱紗の扱いだが、四方さばきのようで、三方しか調べてないし、慣れるまで割り稽古が必要だ。私自身は大円之真は見学だけで、実際のお稽古は真之行台子だった。n先生の指導なので、先生が先へ先へと言葉で説明するので、そのとおりにあやつり人形のように手を動かせばあっというまにお点前が終わってしまって頭の中に何も残らない、ので、ときどき手を止めて質問してみたり、間違ってみたりして、確かめる機会をわざと作ってお稽古させてもらった。ごめんなさい。
n先生は午前中だけで、廊下で大円之真2名、真之行台子2名、都合4名「さばいた」と大先生に褒められてた。
対して小間の方では、代稽古のngさんが、ゆっくりと1時間かけて、奥伝のお点前を勉強していて、とてもよい雰囲気だったのだが、大先生は、ぐずぐずやってると、ちょっとお冠だった。
大先生が本来見るお部屋Aルームは風炉の支度をしてあったのだが、結局この日は誰もそこでお点前しなかった。大先生ご自身は洋間のソファに座られて、代稽古の先生とお話したり、洋間でお稽古している初心者の男性を見てあげたりしていた。
御年90歳にして、初めて花粉症になられたらしく、大変おつらそうでありました。お食事もほとんど召し上がらず。
去年まで、というか、先月まで、全然花粉症の気配がなかったのに、本当に突然発症するのですね。

お花は我が家の庭に咲いたハナズオウと、U先輩が持ってきてくださった貝母。

4月の日曜クラス(4月8日)
今月も午後から出席とさせていただいた。午前中は少しゆっくりさせてもらって、家のことなど片付ける。
お稽古は、まず後炭手前から。最近はお茶事をしても後炭は省略することがほとんどだそうだ。時間がかかるから、というのと、よい炭が本当に手に入りにくくなっているから、だそうだ。
お稽古場の炭も、くぬぎではなく、樫の炭を使っている。
後炭のあとは、廊下で、日曜クラスのTさんの指導を任される。更好棚で薄茶点前を見る。
そして、また六畳のお部屋に戻って、続き薄茶。最初に濃茶点前をし、続いてお薄を差し上げるお点前で、お弟子さんたちは、お客の勉強。濃茶から薄茶にうつってから、正客は薄茶一服目を遠慮して次客に回す。次客がお茶をいただいている間に、前お茶入れお仕覆の拝見を乞う。
日曜クラスは、だれも急がせることなく、ゆっくりじっくりお稽古できるので、とても「茶室」らしい雰囲気だ。


3月の稽古まとめ: 大円之草、真之行台子ほか

3月1回目の土曜クラス(3月10日土曜日)
まずはAルームで濃茶付き花月。
終わった人から順番に、大円之草をお勉強するようにとご指示があった。
月の初めからいきなり奥伝。まずは炭付花月のあと、それぞれの場所に分かれて奥伝のお稽古。大円之草は初めてだったので、まずは先輩のお稽古を拝見させていただき、そのあと、おもむろに本番(?!)。n先生ご指導。唐物茶入れ、和物茶入れ、大天目と、いろんなお道具が勢揃いのお点前。台子に準じるので、水指に蓋置を仕組んで柄杓をのせる、のではなく、柄杓と蓋置きを右手で左手に建水を持って入室する。
その後、大先生が次々広間で平点前のお稽古をつけていかれる。私も最後に呼ばれ、本当は早退しようと思っていたのに、結局予定の時間11時半などには全然帰れず、12時半までお稽古となった。
U先輩によると、大先生はもう花月のほかは平点前くらいしか見られないのよ、重いお点前のお稽古はお疲れになってしまうから、とのことだった。

3月日曜クラス(3月11日日曜日)
午前中お休みさせてもらって、午後から出席。おひな祭りの五目寿司を持参した。
お稽古は、後炭手前から。もうだいぶ腰の具合もよくなったので、お釜を持ち上げることもできるようになったため。
続いて、お客様4名様に、続き薄茶。お濃茶を4名分練り、その後、続いて薄茶を差し上げるお点前だ。実際に複数のお客様にお茶を差し上げる機会はお茶会でもない限り、お稽古ではあまりないことだ。がこの日は4名様のお客様。薄茶の一服めは、正客が引いていくのだが、「都合がございますので、どうぞ」と次客に譲って、濃茶の道具拝見を乞う。お薄はお換えの茶碗も使って差し上げた。
その後は、本当は大円之草のお稽古をしたかったところだが、台天目のお稽古で我慢。

3月2回目の土曜クラス(3月17日土曜日)
この日はU先輩、S先輩がお休みの中、前回に引き続き大円之草のお稽古をB班の方たちが行い、A班メンバーは濃茶付き花月、その後、大津袋の濃茶付き花月と続けて行った。大先生は11時でご用があるとのことで、お帰りになられたので、小間を使わせてもらって、代稽古のngさんに見ていただいてお稽古。大先生がいらっしゃらない方がゆったりと充実したお稽古ができるのが、また悲しい。

3月3回目の土曜クラス(3月24日土曜日)
珍しく、大先生がお休みだった。お疲れがとれずどうしてもお稽古場にいかれない、と朝お電話があったようだ。n先生もご両親の介護でお休み。なんとなく、今後のお稽古場を予感させるようなこの日でありました。
お稽古は、真之行台子だったのだが、私はA’スペースの方で、U先輩に四ヶ伝のうち盆点を見ていただいた。ほかの方たちは小間でngさんご指導のもと真之行台子のお稽古だった。私も見たかったのだが、お昼ご飯のあと、特別に小間の火を落とさず、U先輩がngさんに真之行台子を見ていただくことになったので、しっかり見学させていただいた。ちょっと得した気分。
お稽古場に行く途中見かけたボケ(?)が私を呼ぶのでお稽古場に連れて行ったところ、小間にU先輩が入れてくれた!U先輩がお持ちになったハナズオウと一緒に。(調べると、もしかしたら、更紗木瓜というものかも。きれいだし、かわいい。うちにもほしいな。)


2018年初茶会(2月開催だけど)

昔は1月に初稽古(初点式)、そして、初茶会が行われていたそうだ。お稽古以外には月に2回は茶事もあったとか。
しかし、時は巡り、大先生は卒寿を迎えられ、茶事は無くなり、初茶会は2月になった。

2月18日の記録。

土曜日クラスはまた広間の薄茶席の担当だった。紹鷗棚でなかなか華やかなお席になった。しかし、当日欠席者が多く、お点前要員は私とYさんの二人だけ!お点前お運びと交代で二人でつとめたので、私は4回ほどお点前をした勘定になる。しかし、不思議とどの回も集中力が途切れること無くつとめることが出来た。きっと素敵なお道具のお陰だろうと思う。
紹鷗棚の上に、三徳花入を置いてお花を入れたのは初めて。とても素敵だった。

床 「一」 鵬雲斎大宗匠
花入 三徳 淡々斎好
香合 お福さん     和田桐山 造
風炉先      銀網代 淡々斎好
釜 十二支釜
炉縁 高台寺蒔絵 山中塗
棚 紹鷗棚 時代
水指 砂張 單瓢 彦兵衛 造
薄器 宝尽し金輪寺 山中塗 石斎造
茶杓 荘先生造 ご主人命銘「茶の心」
 点前 蒔絵 野村徳庵 作
茶碗 鳥居の絵(内底に鶏)
 仕舞付 独楽 犬山焼
蓋置 六瓢 清閑寺
建水 曲      松に箔散らし蒔絵
莨盆 手付田楽箱
火入れ 赤楽


1・2月お稽古のまとめと2月日曜稽古

先月のお稽古まとめ。
年明け、1月13日が初稽古だった。初点式のような特別なことはなかったが、年の初めからいきなり行之行台子のお稽古だった。A班全員が廊下と小間に分かれて、お稽古。私は廊下の方でn先生ご指導。
1月2回目のお稽古は20日。この日はお茶会のお稽古として、台子に台を置き、紹鷗棚に見立ててお稽古した。
1月3回目は27日。大先生がお見えになる前に、炭付花月のお稽古を始め、お炭手前を済ませなければならないところ、この日も間に合わず、Aルームは午前中ずっと下火3本のままだった。前回もそうだったので、上の方のひとたちの間で問題になる。
A班リーダーのUさんは、準備を手抜きしないという考えなので、一歩も譲らず、結局朝8時半からのお支度を8時からスタートさせることで落ち着きそうだった。
2月1回目のお稽古は、2月3日節分の日だ(豆まきは今年は無かった)。炭付き花月を大先生がいらっしゃる前に始めるために、朝8時に集合する。確かに大先生が来られる1分くらい前に、炭付花月を始めることが出来た。その後は、小間に行ってお茶会のお稽古。
またいつもはU先輩がわざわざ青山の花長さんに行ってお花を仕入れてきて下さるのだが、今回は行けなかったということで、枝物のリクエストがあった。道々、蝋梅、椿、紅梅など採取し持っていくと、どれも使ってもらえて嬉しかった。
日当たりの良いお庭のある家ではもう紅梅が開き始めているのだった。
2月2回目のお稽古は前回に引き続き、大先生がいらっしゃる前に炭付花月をスタートさせた。その後、小間でお茶会のお稽古。

2月の日曜稽古。朝一番で、日曜クラスのお弟子さんTさんが広間の炉中を整えるのを見ながら、廊下にある置き炉の炉中を整えた。湿し灰をまき、下火を入れたところで、U先輩が、炉中が美しいから見て!!と、この日飛び入り参加していた土曜クラスのYさんを呼ぶ。あまり意識して整えたわけでは無かったのだが、前日の土曜日、この置き炉の火が途中で落ちてしまったので、今日はそのようなことにならないよう、灰を丹念にふるって空気を含ませて仕上げたのだった。見ていないようでU先輩はよく見ていらっしゃる。

六畳のお部屋で、Aさんが盆香合のお手前を見せてくれるというので、朝礼は失礼して、見学させてもらう。その後もずっと午前中は6畳でお稽古。濃茶点前を久しぶりにお稽古したら、途中で何度も手が止まってしまって、代稽古のSさんに怪訝な顔をされてしまった!
午後は後炭手前から。椎間板ヘルニア以降、炭手前は遠慮していたのだが、この日久しぶりに炭手前をしてみた。小さめの釜だったからなんとか大丈夫だった。
その後はお客様役が多く、お点前はほとんどせず。この日飛び入り参加のYさんは午後までいらして、初炭、後炭と炭手前の勉強ができてとても喜んでいらした。確かに土曜日は手前座卓になってしまってから、炉の炭にお目にかかることが無くなってしまったので、日曜クラスでいつも勉強させてもらっている自分はずいぶんと恵まれているのだと再認識。

2月はこのあと17日にお茶会の準備(私は欠席)、18日は初茶会、24日に湿し灰作り(私は欠席)、25日は社中懇親食事会、とスケジュールがいっぱいだ。湿し灰作りは先輩方が私の腰を気遣ってくれてお休みさせてもらうことになったのだが、それはちょっと残念なのだった。


遅ればせながら2018初釜の記録

あっという間に1月が終わって2月になってしまった。
1月14日、日曜クラスのお稽古は、指導者のU先輩をご亭主とする、点心での初釜茶事と、メンバー全員による員茶だった。

私は、U先輩から、日曜クラスのお弟子さんTさんをアシスタントにつけてもらって、お水屋と半東を任された。
初めて、ではないのだが、半東ということで、一つ紋の色無地を着ての参加。私とU先輩、Tさん以外のお弟子さんと、土曜クラスから特別参加のYさん、Kさんを加えて、総勢10人がお客様。

まずは席入りから始まり、Uさんのお炭手前。そして、お食事となるので、それまでにお水屋で点心とお椀の準備をし、御膳を運び、お酒、お椀も運ぶ。点心の御膳は、こんな感じで水屋でセットした。もちろん、お手本をU先輩に作っていただいたのをただただまねをして盛り付けただけなのだが。

お椀の写真は撮り忘れたが、白味噌のお汁に丸餅、金時にんじんの梅と大根の亀甲の2枚を、おめでたい感じに載せると、その上にふんわりと糸削りの鰹節を盛り付ける。お味は絶品。やはり良質で大量の昆布と鰹で取ったお出汁は違う。これも全部、前日の夜、Uさんがご自宅で仕込んできて下さったもの。私達は水屋といっても、それを鍋で温めたり、盛り付けたりする程度で、とても楽をさせてもらった。

陰でタイミングを見計らって御膳を下げたり、お椀を下げたり、のお仕事をしたあとは、主菓子を縁高に盛り付け、黒文字を人数分載せてお出しするのも半東の仕事。お客様にお菓子を召し上がっていただいたあとは、メインイベント濃茶点前になる。(時間がないので、初座と後座はなく、ぶっつづけで行った。)
柄杓を引く音を聞いたら半東は静かに入室し、控える。まずは、利休さんにお茶を供えるのだが、そのお茶を運ぶのが半東の役目。利休さんに一同合掌黙礼したら、一度退室し、嶋台茶碗の二碗めに人数分の濃茶を入れて運ぶ。建水の後ろにそっと置き、また控えていると一碗めの濃茶が練り上がるので、それを正客のところに、二碗めが練り上がれば、6客さんのところへそれぞれ運ぶ。お客様が濃茶をいただき終わって拝見したいと所望があれば、お茶碗を浄めてまたお持ちするのも半東の役目。そんな風にして濃茶席が終わると、薄茶は員茶で、と亭主のU先輩が仰った。

員茶の亭主は水屋のアシストをしてくれたTさん。私は正客を申しつかった。私が引いた札は「あやめ」
最初にお茶を点てる人を決める札を読み上げる札元
「あやめ〜」。
なんともちょうどいいというか、仕組まれたというか(笑)
そのあとは、ずーとあやめは当たらず、最後から2番目でやっとあやめが出た。やっとお菓子とお茶がいただけて幸せだった。
お茶をいただいたあと、お茶碗を右手で持ちながら、左手を軽く膝前について、「あやめの札、およけを。」と札元に声を掛けるのがなんとも雅な感じ。全員がお茶をいただき、お茶を立て終わると員茶は「これにて一巡」となり、一応終了となった。

お片付けは、体のことを考えて他の人に任せて早くかえって良いと、U先輩の暖かいお心遣いをいただき、3時ごろに退席。
楽しい一日だったので、家に帰ってからも、すごくすごく元気で、お風呂にすぐ入って足腰のマッサージをしたあとは、夕食の支度、翌週のお弁当の作りおきと、沢山お料理を作ってしまったほど。

楽しいと元気になる、当たり前のことだけど、大切なことだなぁと改めて認識いたしました。

これからもたくさん楽しめるといいな。


2018年のお稽古始め:行之行台子

1月13日土曜日の記録。
昨年から、大先生は、年が明けたら、つくばいの使い方と縁高の扱いをお勉強しますからね!と仰っていた。
そして弟子からの年賀状でお茶事をしたいという声が何人かからあったとのことで、俄然お茶事をやる気になられて、水曜日(お稽古日の三日前)にU先輩のところに直接お電話があったそうだ。今年はお茶事をやるわよ!と。
しかし、実際に土曜日のお稽古始めを迎えるとお茶事の話は消えていた。

大先生は、お茶事をやるためには、献立も考えないといけない、市場に買い出しにも行かないといけない、お道具も揃えなくちゃいけない、あれもしなくちゃいけないし、これもしなくちゃいけない、と考え始めたら、自分の体がもつかどうか不安になり、そしてもし自分が倒れてしまったらこのお稽古場が立ちゆかなくなると思い至り、お茶事はしばらくやめておこうと思い直されたのだそうだ。そして、お茶事をやるかわりに、なぜか「お楽しみ会」をする、ということになり、3月下旬に全員集まってのホテルでのお食事会が開かれる模様。

B班のお弟子さんの中には、せっかくお茶の人達で集まるのなら、せめて大橋茶寮とか菊乃井とか、柿傳とか、お茶事形式で最後にお抹茶がいただけるようなところに行きたいわよねぇと、言う人もいたが、大先生に直接意見できる人は誰もいないのだ。先輩に言わせると、昔は(そして、多分今も)大先生の仰ることは絶対で、「はい」と「ありがとうございます」と「お勉強させていただきます」の3つ以外発言してはいけなかった。陰で異を唱えるのも御法度だったのだとか。今は、陰でだけれど、こんな風におおっぴらに先生に異を唱える人がいて、不快だとのこと。それも確かにそうかもしれないなぁ、でも文句を言う人の気持ちもわかるなぁ、でもお年を召して遠出が難しくなっている大先生のことを考えると、なかなか難しいかもなぁ、などと中途入社(?)の私の思いも千々に乱れるのだった。(ウソです)

そんなことで、つくばいの使い方も縁高の扱いのお勉強もなく、行之行台子のお稽古で2018年がスタートした。

順番を待っている間、二人の先輩のお点前をしっかり見学させていただき、いざ、自分の番になって、お点前を始めるのだが、全体がまだしっかりと頭にはいっていないものだから、つかえてばかり。
反復練習が必要だ。

ところで、年始ということで、年始ご挨拶を納め、また1月から新しいお月謝袋になるのを機に、お月謝の金額もお茶名の人は8000円から9000円に上がった。准教授の人は1万円らしいが、どうやらそこが上限みたい。ご挨拶も1万円が上限。こちらは茶名以上は1万円だった。
会社の状態によっては、家計のため、まず最初に切るのは趣味の費用。月々少なくない金額をかけてのこの趣味も、私の会社の安泰と私の健康にかかっている。。。。なんちゃって。
今お支払いできている間だけでも、しっかりお稽古致しましょう。


12月の日曜稽古:初炭手前、茶碗荘薄茶点前、唐物

12月10日の記録。
朝一番で、日曜クラスのお弟子さんTさんと一緒に炉中を整える。Tさんに教えながらやってね、とU先輩に言われたのだが、教えるのは難しい。自分が適当にやっていることも、手順を分解して言葉にしないといけないから。でも大事なのは、灰に空気を含ませるようにすること、炭をつぐ空間がきちんと空いていること、だと思うのでそれはきちんとお伝えした。

朝礼は欠席して6畳間で早速代稽古のSさんご指導の下お稽古をスタート。まずは初炭から。お釜を持ち上げるのが怖かったけれど注意してやったので大丈夫だった。久しぶりに本物の炉にお炭。お香の良い香り。嬉しかった。
そして、広間での朝礼を終えて六畳間に移動してきたKさんをお客様役をしていただいて、まずは薄茶で茶碗荘。「おろさずひかず」が濃茶だったのか薄茶だったのかまた忘れてしまい茶筅を下ろしそうになるが、薄茶がおろさずひかず、だった。大学生の頃に覚えて事は絶対忘れないのだが、お茶を再開してから覚えたことはすぐに忘れたりする(悲)。
点てたお茶を飲んでくれたKさんが「おいしい〜〜!」と言ってくれたので、ちょっと救われた。

次にそのKさんの貴人濃茶点前のお客様(貴人)役をつとめ、濃茶をいただいたところで、Uさんから声がかかり、日曜クラスのお弟子さんOさんの指導をすることになってしまった。濃茶の平手前。Uさんは私に少しずつ助手の役目を勉強させようとしている。指導なんてしたくないと思っていたけれど、この日は素直に勉強させてもらおう、と思えたのがちょっと不思議だった。

Oさんは手にちょっとばかり(かなり?)癖があって、沢山直したいところがあるのだけれど、こらえてまずは手順を正しく覚えてもらうように指導しようと思った。がしかし!お菓子が縁高で回ってきてお菓子の取り方や縁高の扱いに気を取られて、炉で一番大切な中蓋をせずにお点前が進んでしまったのに気づかなかった!!!大失敗だ。気を取り直して、茶筅通しのお湯一勺入れたところで蓋をすることを伝え、蓋が閉まっているつもりでお茶を練るためのお湯をさしてもらった。
お客が一人であろうと二人であろうと、日曜クラスでは、濃茶は最低3人分は必ず練る、というのがUさんの方針で、このときもOさんの茶入れには三人分の抹茶が入れられていた。回し出しで一生懸命まわしてもまだまだ出てくるお茶の量におどろき、一勺めののお湯が少なすぎて大変なことになり(抹茶が飛び散る!)、さらに練るのが難しくて何度も追勺することになってしまった。最初の一勺めはほとんど全部注いでしまっていいのだ、ということを伝えるが、もっと早く教えて上げるべきだった。
こうして練り上がったお濃茶は、かなり冷めてしまっていて、そして少々ダマが残っていたけれど、それでもはじめてにしてはまあまあの練り具合といえたかな。指導者って難しいなぁ。対面で見ているから、右と左がすぐわからなくなるし。これも経験を積むしかないのかも知れない。
お茶碗を返したところで、また私は代稽古のSさんに呼ばれ、指導をUさんと交代して、六畳間に戻る。

唐物のお点前のお稽古しつつ、時間がないお弟子さんSさんにお濃茶を差し上げる。
久しぶりの炉の唐物で何度も途中で手が止まってしまうが、拝見物を出すところまで何とかたどり着いた。大先生は年末は茶杓の銘によく「無事」を使いますね、とSさんが教えて下さったので、私も早速真似をしてお茶杓の御銘は?の問いに「無事でございます」と答えてみた。今年1年は椎間板ヘルニアで日曜稽古を半年も休んでしまったけれども、こうして「無事」復帰できたのだからよかったなぁ、という思いで。

今まで日曜日は朝から夕方まで一日みっちりお稽古していたのだが、体力がかなり落ちた今、翌日の勤めに差し障ってはいけないので、午前中で失礼した。

この日は帰宅しても妙に元気だった。
そう。
久しぶりに点前座卓が取り払われた広間と六畳間の景色と、そこでお稽古させてもらったことが、私をとても元気にしてくれたのだ。

大先生、月に一回でもいいから点前座卓取り払ってくれないかなぁ・・・