12月の日曜稽古:初炭手前、茶碗荘薄茶点前、唐物

12月10日の記録。
朝一番で、日曜クラスのお弟子さんTさんと一緒に炉中を整える。Tさんに教えながらやってね、とU先輩に言われたのだが、教えるのは難しい。自分が適当にやっていることも、手順を分解して言葉にしないといけないから。でも大事なのは、灰に空気を含ませるようにすること、炭をつぐ空間がきちんと空いていること、だと思うのでそれはきちんとお伝えした。

朝礼は欠席して6畳間で早速代稽古のSさんご指導の下お稽古をスタート。まずは初炭から。お釜を持ち上げるのが怖かったけれど注意してやったので大丈夫だった。久しぶりに本物の炉にお炭。お香の良い香り。嬉しかった。
そして、広間での朝礼を終えて六畳間に移動してきたKさんをお客様役をしていただいて、まずは薄茶で茶碗荘。「おろさずひかず」が濃茶だったのか薄茶だったのかまた忘れてしまい茶筅を下ろしそうになるが、薄茶がおろさずひかず、だった。大学生の頃に覚えて事は絶対忘れないのだが、お茶を再開してから覚えたことはすぐに忘れたりする(悲)。
点てたお茶を飲んでくれたKさんが「おいしい〜〜!」と言ってくれたので、ちょっと救われた。

次にそのKさんの貴人濃茶点前のお客様(貴人)役をつとめ、濃茶をいただいたところで、Uさんから声がかかり、日曜クラスのお弟子さんOさんの指導をすることになってしまった。濃茶の平手前。Uさんは私に少しずつ助手の役目を勉強させようとしている。指導なんてしたくないと思っていたけれど、この日は素直に勉強させてもらおう、と思えたのがちょっと不思議だった。

Oさんは手にちょっとばかり(かなり?)癖があって、沢山直したいところがあるのだけれど、こらえてまずは手順を正しく覚えてもらうように指導しようと思った。がしかし!お菓子が縁高で回ってきてお菓子の取り方や縁高の扱いに気を取られて、炉で一番大切な中蓋をせずにお点前が進んでしまったのに気づかなかった!!!大失敗だ。気を取り直して、茶筅通しのお湯一勺入れたところで蓋をすることを伝え、蓋が閉まっているつもりでお茶を練るためのお湯をさしてもらった。
お客が一人であろうと二人であろうと、日曜クラスでは、濃茶は最低3人分は必ず練る、というのがUさんの方針で、このときもOさんの茶入れには三人分の抹茶が入れられていた。回し出しで一生懸命まわしてもまだまだ出てくるお茶の量におどろき、一勺めののお湯が少なすぎて大変なことになり(抹茶が飛び散る!)、さらに練るのが難しくて何度も追勺することになってしまった。最初の一勺めはほとんど全部注いでしまっていいのだ、ということを伝えるが、もっと早く教えて上げるべきだった。
こうして練り上がったお濃茶は、かなり冷めてしまっていて、そして少々ダマが残っていたけれど、それでもはじめてにしてはまあまあの練り具合といえたかな。指導者って難しいなぁ。対面で見ているから、右と左がすぐわからなくなるし。これも経験を積むしかないのかも知れない。
お茶碗を返したところで、また私は代稽古のSさんに呼ばれ、指導をUさんと交代して、六畳間に戻る。

唐物のお点前のお稽古しつつ、時間がないお弟子さんSさんにお濃茶を差し上げる。
久しぶりの炉の唐物で何度も途中で手が止まってしまうが、拝見物を出すところまで何とかたどり着いた。大先生は年末は茶杓の銘によく「無事」を使いますね、とSさんが教えて下さったので、私も早速真似をしてお茶杓の御銘は?の問いに「無事でございます」と答えてみた。今年1年は椎間板ヘルニアで日曜稽古を半年も休んでしまったけれども、こうして「無事」復帰できたのだからよかったなぁ、という思いで。

今まで日曜日は朝から夕方まで一日みっちりお稽古していたのだが、体力がかなり落ちた今、翌日の勤めに差し障ってはいけないので、午前中で失礼した。

この日は帰宅しても妙に元気だった。
そう。
久しぶりに点前座卓が取り払われた広間と六畳間の景色と、そこでお稽古させてもらったことが、私をとても元気にしてくれたのだ。

大先生、月に一回でもいいから点前座卓取り払ってくれないかなぁ・・・