「 おでかけ日記 」一覧

二人のフォスカリ

英国在住の友人が字幕を担当した、世界同時中継ロイヤルオペラハウスのライブシネマ。2月のドン・ジョバンニ、6月のマノン・レスコーに続き、昨晩、ヴェルディの「二人のフォスカリ」を鑑賞してきた。
作品に関して全く知らなかったので、こんな個人サイトとか、こんなwikiを見てにわか勉強していく。
主役はプラシド・ドミンゴ。三大テノールの一人として超有名だけれど、彼は近年はテノールからバリトンに転向したのだって。休憩時間に流れるインタビュー映像でもそんな話をしていました。だからこの主役をしているんだね。
1幕、2幕ではオーケストラの音に負けてる感じがしてたドミンゴさん、もう年だし、大丈夫かなぁと見ていたら、3幕はすごかった。圧巻でした。やっぱり3大テノールと言われた人だけのことはあります。オーラが違う。1幕2幕でオケに負けてても存在感だけはあったので、それにあの声量が加われば、もう向かうところ敵なし!最初はわざと抑えていたのかな。
息子役の歌い手さんフランチェスコ・メーリも、主役の義理の娘(息子の妻)役のソプラノ歌手さんマリア・アグレスタも、いい声だった。素晴らしかった!
ストーリーは最後には主役の息子も主役も死んでしまって、観客としてはどうすればいいのか戸惑うような悲劇なんだけど、実話に基づいているのねぇ。実際は翌日にフォスカリ父はなくなるんだけど、劇中ではその場でバッタリと。
オペラって面白いですねぇー。
ところで、今回も、音楽監督、指揮のパッパーノさんの解説がありました。前回も楽しかったけど今回もピアノを弾きながら、主役三人のテーマ曲の違いについて語ってくれました。字幕のおかげでよくわかったわ(^^) 先に書いたドミンゴさんのインタビューはパッパーノさんがやってて、こちらもyoutubeで見られます。インタビュー全編はこっちかな。
益々パッパーノさんのファンになったわ。


昭和な家の茶室開き

お友達二人でオープンした「昭和な家」の茶室開きの茶事に行ってきた。
着物仲間、というのかな。お茶仲間でもあるんだけど。着物大好きなお二人が喜ぶような着物で、というのがドレスコードだったのだけれど、振袖も持ってないし(笑)、せめて髪だけでも盛っていこうと美容室へ行く。
茶事は、点心、濃茶、薄茶の順。点心は、懐石を習っているお友達も応援に入って、ぎんなんの入ったはすしんじょの煮物椀に、岐阜郷土料理の朴葉寿司(昭和な家の二人のうちお一人が岐阜出身。朴葉もわざわざ取り寄せたそうだ)、紅白なます(紅白なますは初めてのお客様にふるまうものと今日初めて知る)というお献立で、どれも大変おいしかった!
お茶席は表千家流。久しぶりに表さんのお点前を拝見した。5年前に私も表さんに1年間だけお世話になったので、なつかしい。
主菓子は岐阜の栗きんとん。お干菓子は、三種のうち、一つはなんと手作り。
心のこもったおもてなしで、ほっこりした一日となった。
◇オマケ
私の今日の頭。
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大変好評でした(違)


お茶会とお能の見学

鶯谷にある笹乃雪の会長が主宰する「六日会」主催のお茶会に先輩たちと一緒に参加した。
「六日会」というのは、女人禁制の茶人の会で、入会資格は茶事を催せること、らしい。U先輩のご主人が六日会のメンバーで、ご主人が主催する茶事の水屋手伝いをした(女人禁制なのだが、Uさんの奥さんということで、特別に水屋の手伝い(勉強)を許してもらっている)ことが縁で、今回の茶会にお招きいただいたのだ。
というのも、今日の茶会は、六日会の活動を理解し支えてくれるサポーターのみなさん(おもに奥様方)をおもてなしするのが趣旨で、プログラムも、まず三井記念美術館で「東山御物の美」企画展について学芸員の話を聞き、その後、実際に美術館を巡ったら、こんどは美術館のすぐ近くの茶室(橋楽亭)のお茶席でお茶をいただき、そのあとは、これもまたすぐ近くにあるビルの中の「天一」でお昼ご飯をいただく、という至れり尽くせりの内容なのだった。
「東山御物の美」展は素晴らしかった。特に、昨日真之行台子で「ケンサンテンモク」を使っているつもりでお稽古したばかりだったところ、なんと、本物の建盞天目茶碗にお目にかかることができたのがとても嬉しかった!
お茶室は真新しくて落ち着かなかったけれど、お茶はおいしかった。六日会はもともと数奇者の集まりなので、お茶会も破天荒な場合が結構あるとは聞いていた。
今回の茶席は「松虫」(謡曲)がテーマで、待合の床に松虫の本がおいてあった。本席にもいたるところに秋の虫がいた。虫明焼きのお茶碗が主茶碗で、写実的なこおろぎとバッタが描かれていたり、薄器の蒔絵が虫かごだったり。キュウリの香合が虫かごに入っていてキュウリの上にバッタがとまっていたり。
数茶碗で私がいただいたお茶碗には鈴が描かれていて、「鈴虫」に引っかけたとか(笑)。
点前座には風炉先屏風の代わりに秋の花が林のように並べられていたが、花器は人間国宝級の人たちが作ったものばかりとか。
とにかく、今まで見たことの無いような趣向の茶席だった。
天一のランチは目の前で揚げてくれる天ぷらをいただいて、幸せ?。
その後はUさんのお能の発表会観覧のため、渋谷へ。お能を鑑賞する。松濤の観世能楽堂は近く取り壊されるそうだ。今日初めて行ったけれど、これが最後になってしまった。Uさんご主人の演目は道明寺。すごく堂々としていて立派だった。
朝8時過ぎに家を出て、帰宅は18時半。長い一日だった。


京都にお出かけ

京都小旅行の目的は南座と、分銅屋足袋と、嘯月。
南座の歌舞伎を見た翌日の今日は、朝一番で三条から出町柳に電車で移動後、徒歩で京大近くの進々堂へ。朝ご飯を食べて(クロワッサン美味しかった!)、今度は元田中から叡山鉄道に乗って出町柳で乗り換えて三条に戻ってホテルをチェックアウトしたあとは、歩いて分銅屋さんへ。
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ストッキングをその場で脱いで実際に足をみてもらったら、左足が外反母趾だからこちらに合わせて選ばないといけないと言われ、持ってきてくれたのが極細指長足袋。試着したらやや指の先があまるものの、左足の人さし指、中指あたりがゆったりしてて良い感じ。もし指先が気になるようだったら綿をつめてはくのだそうだ。今はお誂えは一切していらっしゃらないそうなので、このセミオーダー足袋4300円を購入した。(いつかは作ってみたいオーダー足袋)
分銅屋さんのあとは歩いて御池駅に向かうが道を間違えて錦小路経由で四条の方に出てしまったので、四条から北大路に地下鉄で乗って、駅からは歩いて嘯月へ。
雨傘を日傘代わりにして。
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先週予約しておいた和菓子5種×2を購入しました。奥さんはとっても親切な人でした。
北大路に戻って今度は北大路バスターミナルから百万遍まで移動して、京大近所の「まどい(円居)」という洋食屋さんでランチ。ここは家人が京都時代から通っているところなので、かなり古いお店だ(調べたら1961年創業だって!)。お得な本日のランチがこの時点(午後0時20分頃)でおわってしまっていたので、家人はCランチ(海老フライ、ビーフカツ、ハンバーグと鶏肉のカレーソース)、私はカニクリームコロッケトマトソースの定食をいただいた。コロッケ美味しかった?。
またバスに乗って四条河原町に行き、ちょっとだけ高島屋によって嘯月のメニュウを見たら、昨日まで栗蒸し羊羹を売っていたのを知り、予約しなかったのを悔やんだあと、それでも上生菓子を買ったんだからと、気を取り直して阪急電車で南茨木まで行き、大阪モノレールに乗って伊丹空港へ。(途中、太陽の塔がよく見えました。大阪万博、子どもの頃連れて行ってもらったんだよなぁ。太陽の塔だけ残ったのね。)飛行機に乗って東京まで帰ってきました。
マイレージ旅行だから京都なのに飛行機、お芝居やら食べ物が目的だったから京都なのにお寺には一切行かない、ちょっと変な、でも面白い小旅行でございました。



お能を見る

お友達に誘われて,お能を見に行った。銀座能楽堂に入ったのは初めてだ。こんなビルの上に能舞台があるのねー。
前半は吉田嘉謡社のお弟子さんたちの発表会。午後2時半から、吉田親子(3代!)の謡い,仕舞。
特に、装束の説明が面白かった。歌舞伎などには着付けのプロがついているけれど、能の場合は、お互いに着付けをしあって装束をつけるそうだ。その実演を舞台上で見せてくれた。大先生に若先生が着付けをしていく。立派な唐織り衣装もひもで着付けていく。面を付け、髪の毛もつけて烏帽子をかぶせ。清経のできあがり。
実際に謡の一部も観客に教えてくれて(開演前に、音の高低が音符みたいな●で示されたセリフ(?)が書かれた紙が配られていた)、一緒に謡って清経を呼ぶと、橋懸かりの奥の幕が上がってさっき装束をつけた大先生が音もなく登場する。面をつけたまま、謡いながら舞う。能の言葉は難しいから外国語の音楽を聴くような気持ちで、五感で感じ取ってほしいと吉田さんはお話されてた。そうなのかな。
でももうちょっと意味がわかりたいな、と思った。次回行くときは少し予習していかなくちゃね。


マノン・レスコーのち細雪

今週は水曜夜に、オペラマノン・レスコーの世界中継を映画館で見て、金曜日は会社を休んで明治座へ。家人曰く「娯楽の充実した一週間」でした。
マノン・レスコーは、ロンドンのロイヤルオペラハウスの舞台をそのまま、世界中の映画館で中継上映するという企画の一つで、イギリス在住のお友達が日本語字幕を担当している。そのこともあって、楽しみにしていたのだった。(前回はドン・ジョバンニ)
プッチーニのマノン・レスコーはウィキペディアによると1983年が初演。でも水曜日に見た舞台はすごく現代風にアレンジされていて、登場人物の姿形が今風だ。なにしろ若者がiPhoneやiPadを手にしているし、マノンのファッションも金持ちの愛人になった後はAKB48みたいでちょっとびっくり。
幕間の休憩時間を利用して、指揮者のインタビューや、音楽の解説などもあり、その字幕もちゃんとついていて楽しめた。舞台監督とイタリア語のコーチ(?)のインタビューは、リアルタイムでおこなわれているらしく字幕はつかなかったので、私のつたない英語聴解力では半分くらいしか理解できず、残念というか、情けないというか、悲しいというか・・・字幕は偉大だわ、と思ったものでした。
ありがとう!>Aちゃん!
プッチーニの音楽はいままであまりちゃんと聞いたことが無かったけど、真面目に聞いてみたくなった。
金曜日の明治座「細雪」は、着物友達がエキストラのオーディションに合格して出演することになり、チケット手配してもらって行ってきた。細雪といえば1980年代に市川崑監督の映画を見に行ったことを思い出す。着物好きの母と私二人して、どこの映画館だったかは忘れたけれど、わざわざ見に行ったのだ、着物を見に。それはそれはめくるめく美しい世界だった。舞台の方も80年代に今の形になって今日まで上演が続いているそうだから、市川作品が演劇にも影響したのだろうか。(それとも独立に進んでいたのか。時代が細雪を再発見したのか。)
それにしても夢のような数時間だった。
もちろん私も着物を着て、美容院にもちゃんと行って髪の毛セットアップしていきましたとも!非日常には非日常の格好で(笑)
楽しみました。
さて、また現実にもどって堅実に暮らそうっと(違)
オマケ
もりもりに盛った私の頭。ちょっと下の方ほつれてますが。
実は、美容室に「細雪」のチラシを持っていって、この人みたいにしてくださいってお願いしたらこうなったのだ。
「この人」がだれかは秘密ですw
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