お茶会とお能の見学

鶯谷にある笹乃雪の会長が主宰する「六日会」主催のお茶会に先輩たちと一緒に参加した。
「六日会」というのは、女人禁制の茶人の会で、入会資格は茶事を催せること、らしい。U先輩のご主人が六日会のメンバーで、ご主人が主催する茶事の水屋手伝いをした(女人禁制なのだが、Uさんの奥さんということで、特別に水屋の手伝い(勉強)を許してもらっている)ことが縁で、今回の茶会にお招きいただいたのだ。
というのも、今日の茶会は、六日会の活動を理解し支えてくれるサポーターのみなさん(おもに奥様方)をおもてなしするのが趣旨で、プログラムも、まず三井記念美術館で「東山御物の美」企画展について学芸員の話を聞き、その後、実際に美術館を巡ったら、こんどは美術館のすぐ近くの茶室(橋楽亭)のお茶席でお茶をいただき、そのあとは、これもまたすぐ近くにあるビルの中の「天一」でお昼ご飯をいただく、という至れり尽くせりの内容なのだった。
「東山御物の美」展は素晴らしかった。特に、昨日真之行台子で「ケンサンテンモク」を使っているつもりでお稽古したばかりだったところ、なんと、本物の建盞天目茶碗にお目にかかることができたのがとても嬉しかった!
お茶室は真新しくて落ち着かなかったけれど、お茶はおいしかった。六日会はもともと数奇者の集まりなので、お茶会も破天荒な場合が結構あるとは聞いていた。
今回の茶席は「松虫」(謡曲)がテーマで、待合の床に松虫の本がおいてあった。本席にもいたるところに秋の虫がいた。虫明焼きのお茶碗が主茶碗で、写実的なこおろぎとバッタが描かれていたり、薄器の蒔絵が虫かごだったり。キュウリの香合が虫かごに入っていてキュウリの上にバッタがとまっていたり。
数茶碗で私がいただいたお茶碗には鈴が描かれていて、「鈴虫」に引っかけたとか(笑)。
点前座には風炉先屏風の代わりに秋の花が林のように並べられていたが、花器は人間国宝級の人たちが作ったものばかりとか。
とにかく、今まで見たことの無いような趣向の茶席だった。
天一のランチは目の前で揚げてくれる天ぷらをいただいて、幸せ?。
その後はUさんのお能の発表会観覧のため、渋谷へ。お能を鑑賞する。松濤の観世能楽堂は近く取り壊されるそうだ。今日初めて行ったけれど、これが最後になってしまった。Uさんご主人の演目は道明寺。すごく堂々としていて立派だった。
朝8時過ぎに家を出て、帰宅は18時半。長い一日だった。