7月2週のお稽古

今日は大先生の指示で、花月の稽古の前に一人点前のお稽古をすませ、そのあとに花月の稽古を行うことになった。花月のときには、(足りない人員を補うために)下からだれかを2階に送り込むから、と大先生。
そして、あなたは何をやるの?と聞かれたので、先週は茶碗荘りを見ていただきましたので。。。と答えると、もう一回やる?それとも進む?とさらに聞かれたので、えーっとじゃ、進みます、とお答えすると「じゃ、貴人点前やりなさい!すぐ支度して!」
茶杓荘りか茶筅荘りをやるものと思って予習したのだが、貴人点てとは!
2階に上がり、k先生のご指導で貴人点て濃茶点前のお稽古。
お菓子は高坏にのせ、持ち出す。高坏は懐紙を折って載せその上にお菓子を置く。懐紙の折り方も教わった。二つ折りした懐紙を斜めにずらすのだが、右側が出るようにずらす。左側に出すと仏事になる。
(私は以前着物の襟の打ち合わせと同じと習ったがちがうみたい・・・)
高坏は右手で足のところをもち、左手で盤のところを持つ。ご貴人の前でいったん置き、盤のを持っていた左手は盤の下に添え直し、お出しする。左、右と下がって一膝よけて下がる。茶道口でお菓子をどうぞ、と御挨拶、ふすまを閉める。
貴人台と茶碗の扱いはほぼ覚えていたのだが、拝見の段になって、茶杓と仕覆の取り方、出し方が違っていた。茶杓は仕覆の上に載せてお出しするのだった。
以下、テキスト本より転記。
「右手で仕覆を取り左掌にのせ、右手で茶杓を取り、仕覆の上に手なりに置き、左手の親指で茶杓を軽く押さえて客付きに回り、茶杓と仕覆を一緒に持って茶入れの右側に出します。」
仕覆の上に茶杓がやや斜めに載っている形だが、仕覆を畳の目どおりにまっすぐに置く。従って茶杓は斜めのままの形で良いそうだ。
これが薄茶の貴人点てになると、仕覆がないので、帛紗の上に載せるでしょ、とk先生。
そ、そうでしたっけ??
確かに、先のテキスト本を見ると、薄茶点前の拝見時は、棗をふいた帛紗をそのまま左掌にのせて居前に戻り、茶杓を載せて客付きに回って出す、とある。なるほどー。
このように茶杓をかならず帛紗や仕覆などのおざぶとんに載せるということは、貴人点てのときの茶杓は良いものを使うということなんだろうか。なぜ載せて出すかその理由はどこにも書いてない。貴人点てのときは、掛け物から始まって花入れ、茶碗、貴人台、薄茶器、茶杓など、新しいものを用いるのが良いと書いてある。貴人台は白木のものだが、ご貴人をお迎えするたび、この白木の台も真新しいものを用意するのだ。
贅沢なものだなぁ・・・。
花月の稽古はBグループの先輩弟子さんがお二人加わってくださったので大変スムーズにお稽古が進んだ。
私の亭主役も少しは慣れてきたか。
お稽古なので、取る札も決まっている。私はまず月を引いてお茶をいただいたあとは役札は一切取らない。つまりお点前はしないのだ。4客の席に座っているので、最後に折据を点前座にいる仕舞い花の人のところまで持って行き、それをまた回収するという仕事もある。
ところで、最近、建水に柄杓を載せて運び出すとき、柄杓を落としそうになることがよくある。昔はほとんどそんなことは無かったのに!手が震えているのか、腕が曲がっているのか、体が曲がっているのか。とにかく柄杓を落とすなんて最低と若い頃は思っていたのでいざ自分がそうなると情けなくて仕方がない。
k先生は、本番で落とすのはまずいので、人差し指と中指で柄杓を挟むようにして建水を持ちなさい、と教えてくださった。たしかにそうすると絶対に落ちない。が、私にするとそれは邪道のような気がしてならないのだ。
家で柄杓と建水を買って練習するかなぁ。。。



7月1週のお稽古

今日のお稽古は、更好棚で薄茶平点前。
広間なので中仕舞い。拝見なしで、更好棚に柄杓と蓋置きを荘り残す。
手持ちの参考書を開いて更好棚の項を見ると、こう書いてある。
「十一世玄々斎の好みで、桐材で、掻合わせの塗、爪紅(つまぐれ)の二重棚で、利休好みの三重棚から好みかえて作られたものといわれます。」
薄茶点前の荘りつけ・・・天板は、からのままで、中棚に薄茶器、地板に水指をかざっておく。
薄茶点前の荘り残し・・・中棚に柄杓、蓋置きを荘り残す。
(主婦の友社 新独習シリーズ「裏千家茶の湯」より)
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荘り残すときは、中段に柄杓を向こう三分の一、こちら四分の一の位置に斜めに荘り付ける。伏せて置いてしまったけれどこれは間違いだった。柄杓の合は上向きが正解。これ、5月ににK先生から陰と陽のお話を聞いて勉強したばかりじゃないか。全く身に付いていないことがこれではっきりした。今度こそ、体と頭にたたき込まねば。
平花月、亭主役で2回。
亭主として折据の扱い方をきちんと復習すること。
足の運びがまだまだダメ。もう一度復習すること。
茶碗荘りの濃茶点前。
茶碗に手を添えるときは左手にまで気を配る。親指まできちんと揃えて指を伸ばして。
茶碗荘りの茶碗は、由緒正しいもの。問答についてももっと研究をすること。茶碗についても勉強することが沢山ある。
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以下はこぼれ話。お暇な人だけどうぞ。
実録:今日のお稽古(笑)
今朝は大先生が弟子同士、先輩後輩を組み合わせて自主勉強しなさいと言い出され、あたふたと、CグループのKさんが薄茶点前、その指導を同じく先輩弟子のYさんがすることになった。代稽古の先生に、あなたたち、クチ出しちゃダメよ!と念を押すので、N先生もT先生も後ろの方で大人しく座っていらっしゃる。私はお客様役を仰せつかってYさんの横でのんびり見学していたら、お点前も終わる頃、大先生がいらっしゃって、私に、ほらあなた、そっちで(A’ルームで)薄茶点前を(Bグループの先輩弟子)Hさんに見てもらいなさい!Hさんも勉強よ!!とまたまた鶴の一声。
更好棚で運びの薄茶点前。A’ルームはAルームの横廊下スペースなので、大先生の真ん前でお点前する格好になる。頭の中が真っ白になってしまい、立ったまま帛紗をつけたら、すかさず大先生に、座ってつけなさい!と注意される。あわてているとろくなことがない。基本の薄茶点前なのに、棗を拭く前に茶杓を取ろうとしたりして、もうめちゃくちゃ。情けないったらない。お仕舞いのところで、中仕舞いよ、と大先生に言われるのだが、その瞬間手が止まってしまう。Hさんが助け船を出してくれてなんとか出来たが、今度は「更好棚で荘りましょう。更好棚の荘り方よ!」とさらに大先生の声が飛んだところで、完全分からん状態に突入。。。ああ。
なんとかかんとか朝練を終えると、今日はお中元を渡す日だからだろうか、全体朝礼があった。最前列にAグループ、次にBグループ。3列目にCグループの人たちが座る。
道歌をひとつAグループの先輩が唱えるとあとについてもう一度唱和する。今日の道歌は、「こころざし深き人にはいくたびもあわれみ深くおくぞ教うる」だっただろうか。朝練のひどいお点前で心乱れたままだったので上の空だった。ごめんなさい。
そのあと大先生のお話。このときはしっかり集中してお話を聞いた。
曰く。
ここは道場だ。次の指導者を育成するのが目的。だから厳しい。でも人と人との交わり、心と心のふれあいがあって初めて厳しく出来る。ただ楽しいだけのお茶がやりたければ下の方で(Cルーム)でやっていればいい。少なくともAグループの人はそういうつもりでやってほしい。そしてAグループの人が率先して、下の人を指導してほしい、いつまでもN先生やn先生に頼っていてはダメ。等々。
そうか、ここは「道場」だったのか。私は指導者を目指しているんだろうか。まだそんなところまでなんて全然行ってない。まずは自分自身が成長することが目標だ。それでもこの道場に通っていいだろうか。・・・そんなことを思いながらお話を聞いた。
先生のお話が終わったところで、Aグループの代表の方が大先生にお中元をお渡しする。今回私もお中元(のし袋に暑中御挨拶と表書きするようにn先生らから指示されていた)をご用意していったのだが、新しい人は今回はいいわ、と大先生が仰ったそうで、せっかく出したお中元だったが手元に戻ってきた。ひさしぶりに小筆まで買って何度も練習して書いたのに。残念!でも下手な字で書いた袋が先生の目に触れなくてラッキーだったとも言える(笑)。書道ももっと練習せねば。
その後ABCに分かれてお稽古スタート。
が、ここでまた一悶着起きてしまった。
私の属するCグループ平花月組は、亭主役にSさんという方が決まっていた。前回も前々回もその方を亭主にして花月のお稽古をしたのだった。が、このSさん、今日になって亭主役を降りたいと言い出したのだ。そのうえ、今日は一名メンバーが風邪でお休み。花月は5人揃わないとできないのに、突然2人も欠けてしまったので現場は大混乱。指導役の先生(代稽古のk先生)が困ってしまい、Yさんに、あなたやってよ、なんておっしゃっているが何も決まらない。
するとそこに大先生登場。
あなたやりなさい、といきなり私が指名されてしまった。
k先生が先輩弟子のYさんにやってよ、とおっしゃっていたばかりだったので、私が受けて良いものかわからず、え?え?私でいいんですか?ときょろきょろしていると、大先生のお言葉は絶対なので、さっきYさんにやってよとおっしゃっていたk先生、それなら、とばかり、さっさと2階の稽古場に移動を始めてしまった。仕方なく私も後に従い2階の稽古場へ。
平花月の亭主役は、折据を正客に預ける、点前道具を運び出す、迎えつけをする、最後に道具を持ち帰る、折据を回収し、水次で水指に水を注ぐ、送り礼をして客を送る、などの役割があるほかは、他の客と同じように札を取ったり、点前をしたりする。今までSさんがやっていたことをやればいいのよ、とk先生に励まされお稽古していると、そこにまた大先生が音もなく登場。
私に「どう?亭主、やれそう?さっき亭主やりなさいって言ったとき、困ったような顔をしたからやりたくないのかなと思って気持ちを聞きに来たのよ」とおっしゃる。「やりたくない人に無理矢理やらせても仕方ないから・・・。どう?やりたい?やりたくない?」
困ったような顔をしたのだとしたら、それはk先生とYさんに遠慮したからだ。無駄な心配を大先生に掛けさせてしまって申し訳なかった。ここはやる気を見せねば!と思い、大先生の目をまっすぐに見て「やらせていただきます」と申し上げた。すると、めがねの奥の大先生の目がきらっと光ったような気がした。そして「ね、やれるでしょ。がんばりなさい!」と言って下さった。そのあと他のお弟子さんたちにもそれぞれ励ましの言葉をかけたあと、また音もなく下に戻って行かれた。
このお稽古場では大先生のお言葉は絶対だ。どんなに無理なことを言われても、ハイと言って従う以外無い。みんな怖がっているけれど、大先生ご自身は、相手のことをきちんと観察し気を配って下さる細やかさをお持ちなのだと私は思う。
花月の稽古は今日は二人欠けた分をk先生が二人分やってくださり、私の亭主役もおぼつかないながらも、なんとかこなし、無事終了した。
今日は朝練、朝礼とあって、時間が足りない。結局午前中は花月のお稽古だけで終わってしまい、なんとなく消化不良のまま、午前の部の人たちが終わりの挨拶をするころになると、Aグループの先輩弟子のみなさんはお昼ご飯の支度で立ち働いている。その喧噪のなか、大先生が私に午後もお稽古していきなさい、時間があれば、と声をかけてくださったので、お稽古していくことにした。
もともとそろそろ午後のお稽古にも参加させていただきたいとN先生にでもお願いしようかと思っていたところだったのだ。チャンス!
がしかし。やっぱり問題発生。
第一土曜日のお昼は、あらかじめお弁当を予約しているそうで、一人増えるとなると弁当が足りない!お弁当発注係をされているk先生が弁当が無いのよ、とおっしゃり、N先生も別の週だったら炊き込みご飯を炊いているから一人二人増えても大丈夫なんだけど今日はねぇ、とおっしゃるので、では、今日はご遠慮させていただきます、と大先生のところに言いに行くと、大先生、「そんなばかなこと気にする必要無いの!食べて行きなさいっていったら食べて行くのよ!!」とたいへん叱られてしまった。
そして、k先生やN先生のところに行って指示をしている。「追加すればいいのよ!絶対食べさせて頂戴!」と。
私はいったいどうすれば。。。おろおろ。
結局。N先生とn先生がひとつのお弁当を分け合い、私のところにはちゃんと一人前のお弁当が置かれていた。
しかも、追加しなさい!と言われて急遽k先生が頼んだ銀の皿のお寿司までみんなのところに回ってきた。
さらに、「今日はNさん、あなたが彼女に驕ってあげたんだからあの人からお金取っちゃダメよ!!」と大先生がN先生に言われたとのことで、お金もお支払いしなくて良かったのだった。
n先生、お弁当半分にしちゃってごめんなさい。N先生、弁当半分になったうえにお金まで払わせちゃってごめんなさい。k先生、弁当を追加しろと厳命されて銀の皿で巻物注文させてしまってごめんなさい。
でも。このお稽古場では大先生の言葉は絶対なのだ。どんな無理なことを言われてもハイと言ってその通りにしなければいけない。私もN先生もn先生もk先生もちゃんと大先生に従ったのだから、いーのです!
午後はN先生に茶碗荘りのお点前を見ていただいた。N先生は、細かいところをきちんと指摘してくださるのでありがたい。
たとえば、茶碗荘りの場合、茶碗を持つときは必ず左手を添えて持つのだが、その左手の形をきちんとご指導くださる。親指はつけて指はまっすぐに揃えて。そして茶碗には第二関節まで添える、とのこと。確かにそのように添えると美しく見えるし、指先まで神経が行き届いていることが形に現れていて、お茶碗がいかに大切なものであるかが分かる。茶碗荘りというのは、本来は伝来ものの茶碗など、由緒ある茶碗が手に入ったときに行う点前である。従って、茶碗の由緒に関するやりとりの練習もそれなりの由緒を考えて言葉にしないといけない。準備をしていなかった私は軽い気持ちで「大学卒業の折りに恩師から?」と言いかけたらN先生にそれは茶杓飾りとかの場合よ、と注意されてしまった。N先生がおっしゃるには、今日庵伝来のなんとかとか、宗匠のなんとかとか、と仰るのだが、そのなんとか、のところが私にはちっとも分からない。お茶碗のことももっと勉強しないといけないと思った次第。そして、拝見ものの問答につてももう少し考えてみようと思った。
その後、先輩弟子Bグループの方の唐物のお稽古を見学させていただいた。このお点前、全く記憶にないのでやっぱり私はやってなかったのだろうか。N先生からお免状をどこまでもらってるのか調べておいてね、と言われたが、免状無くしてしまってわからない、とは言えないし。うーむ。困った。
2時過ぎ、Cグループの先輩弟子Yさんに促されて、Sさんと3人、おいとまの御挨拶をする。Cグループの午後組は2時すぎにはおいとますることになっているようだ。お稽古場では、Aグループの先輩弟子の方々が釜を上げたり、炭を取ったり、お片付けが始まっている。できればお片付けもお手伝いして勉強させてもらいたいと思っていたのだが、初めての午後参加だし、今日はCグループのみなさんと一緒におとなしく帰ることにした。
帰宅すると午後3時。早速参考書を開いて今日の復習だ。


6月3回目のお稽古

今日も夏の花月研究会に向けて花月のお稽古。聞くところによると、研究会当日は、レベル別に6組から8組ほどの花月が行われるそうだ。すべて記録する人もちゃんといて、もう30年分ほどの記録があるそうだ。七事式の参考書を読むと、確かに花月の記録を取ると書いてある。今年からはそこに私の名前も加わるのねー。
さて、今日も前回と同じメンバーで花月を2回行った。前回同様、亭主役の人も最初の席順も決まっている。取る札の順もほぼ一定。私は三客なので、花の札を引いてお茶を点てるのが一回、それが済んだら次は月の札を引いてお茶をいただくのみ。そのほかは座替わりをスムースに行ったり、折据の取り方や回し方を間違えないように注意する。平花月一回20分ほどで行うのが標準らしく、そのためには、席の移動をスムースにする、お茶を点てるとき少なめに点てる、などに注意すること。(お茶を少なめに、というのは、代稽古の先生がおっしゃったことではなく、先輩弟子の方がおっしゃったことだけど。。。)
今日は小学校の学校公開と重なっていたので花月終了後は、他の人の茶碗荘りのお稽古を見学し、自分の稽古はできないまま早退する。帰り際に大先生にご挨拶すると、一人点前のお稽古はできた?と聞かれたので、残念ながら時間切れで今日は花月だけでした、と申し上げると、そう言うときは先にやらせてもらえばいいのよ、遠慮無く言ってやりなさいっ!、とちょっと叱られてしまった。
もっと図々しくなってもいいのかな。
もう少ししたら、土曜日の午後の部にも参加させていただけるようお願いしてみようと思う。


6月2週のお稽古

先週は小学校中学校の運動会のためお休みしたので、久しぶりのお稽古。
6月からはいっせいにお洋服でのお稽古ということで、代稽古の先生は全員、白いブラウスに紺のお稽古着(淡交会で販売している)。お弟子さんたちも同じお稽古着の方が多く、さながら制服のようだ。
春のお茶会が終わり、夏に花月研究会に向けて社中は花月のおけいこが盛んになっている。私は入会したばかりだし、花月のメンバーではなかったのだが、定例メンバーのひとりが急にお休みで欠員が出たらしく、急遽、花月チームに入れられてしまった!もちろん大先生の指示だから、たとえ以前こんなことを言われていたとしても、従わないわけにはいかない。
2階のお部屋で、5人一組で平花月の稽古。指導はS先生。
すでに亭主、正客、お詰めが決まっており、私は間に入りなさいと言われていたので、3客席にはいらせていただく。また、お稽古だからということで、折据の中の花と月の札は表を向いていて、花の札は順番に取って行くことになっていた。ちょっとびっくり。S先生の説明によると、花を引いた人は次に月を引くことにしているとのこと。そうすれば、だれもが必ず一回お点前が行えるし、お茶も必ずいただける、という寸法だ。なるほど。
席の移動時の足の運びかた、移動のタイミングなど、まだまだ練習が必要だ。足の運びについては、S先生が、左、右、左と下がって、とか、右足で超えて、など声をかけてくださるのでそのとおりに動かすのだが、とてもぎこちなかっただろうと思う。
カラー写真がたくさん入った七事式の参考書を買っていたので、帰宅後もう一度読み直して復習する。
平花月を2回行ったあと、1階のCルームにおりて、茶碗荘りのお稽古をK先生に見ていただく。
備忘録
花月の席の移動。あがる時は右で超える。下がるときは左で超える。
荘り物の準備で水差しの上に茶巾、茶筅、茶杓を荘るが、そのときは浅い茶碗に仕組んで持って行く。(私が準備をしかけているとn先生が通りかかり、注意してくださった。)
茶碗荘りのとき、茶入れを茶碗から出して茶碗と自分の間におくとき、まっすぐに持ち上げてまっすぐにおろす。斜めにしない。仕服を脱がせるときも斜めにしない。ぞんざいなあつかいをしないこと。
茶碗荘りの茶碗は必ず左手を添えて扱うが、水差しのふたをしめて拝見の声がかかって仮置きするとき初めて手を添えない扱いになる。
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自分のお稽古も一通り終わり、他の人のお稽古を見学していたときのこと。。
そこにたまたま大先生が通りかかり、私のすぐ横、部屋の隅に無造作に置かれていた更好棚を指して「こういうときはまっすぐにして隅に寄せて。お道具は大切に扱うのよ!」とおっしゃって行かれた。
大先生に指摘されて、お棚が斜めを向いて無造作に置いてあるのを見ても何も感じなかった自分がとてもとても恥ずかしくなった。全く基本がなっていないのだ。一事が万事と言う。これからは一つ一つ細やかに気をつけて行きたいと思う。


2010 春の懇親茶会

社中のお茶会とはいえ、お客様の総数が100名超える大規模な大寄せ茶会だった。
代稽古の先生社中の生徒さん(たとえば大学で教えている先生は大学生を呼んでいる)も沢山いらしているので、この人数になっているらしい。
私は先輩弟子のKさんに連れられて、9時半から濃茶席(小間)の一席目から入り、続いて広間の薄茶席、6畳間の茶箱席まで、まったく待つことなくスムースに進んでいった。
別棟で点心をいただいて終わったのが12時前。
あっという間に初めてのお茶会が終わった(まだたくさんお客さんが残っていたけど)。
お道具類がすばらしい。
濃茶席のお軸は「落花開戸入」淡々斎筆!
大先生の手になるお茶杓が飾ってある。銘は亡きご主人がつけられたとのこと「一心」
唐物の古肩衝とおっしゃっただろうか茶入れと仕服も飾られている。花は木の花が生けられていたけれど名前を失念。香合もわすれてしまった。
六角形のような八角形のような多面体になったお釜。楕円で、大きな曲げわっぱのような形の朱塗りの水差し。お正客の茶碗は手にすんなり丸く収まる楽茶碗のようなお茶碗だった。古帛紗が添えられていたから楽ではないと思うのだがなんと言っただろうか。最初の5人がそのお茶碗で、次の5人(含む私)が点てだしの平茶碗でお濃茶をいただいた。その平茶碗も素敵。天目茶碗と備前を足して二で割ったような風合いの不思議なお茶碗だった。
お濃茶席に入る前に、主菓子をいただいたが、これは鶴屋八幡の紫陽花きんとん。
お濃茶は、辻利園の萬風の昔。
次に広間のお薄席。
お軸は、「殿閣微涼」鵬雲斎筆!
全国の高弟40名にのみ配られたお軸(それぞれ字句は違うそう)で、しかもそのうちの10名だけは、リクエストを聞いてくれて書いてくださった貴重なお軸だそうだ。
「薫風自南来」に続く「殿閣生微涼」(実際のお軸は生を省略したものだそうだが)
どんなお考えでこの言葉を大先生はリクエストされたんだろう。
淡々斎の字は穏和でやわらかい感じ。鵬雲斎は男らしいというか、鋭いというか、力強い書だった。
広間にも大先生作の茶杓が。こちらの銘もご主人がつけられた「茶乃心」
香合は花筏。お花はテッセン。花入れは唐物とおっしゃっていたけれど、形はカゴのような感じ。(写真が撮れれば良かったのだが、だれもそんなことをしている人はいなくて、私もカメラを持たずに席入りしてしまい、悔やまれる。)
お正客のお茶碗は、円相のお茶碗。ベージュ地のお茶碗に円が一つ。これは拝見にまわらなかったので遠くから見せていただいただけだったが、不思議な雰囲気をたたえたお茶碗だった。
次客のお茶碗はカブト。5月だからね。
点前座は長板で、ターコイズブルーに金の青海波もあざやかなお道具類が並んでいる。網代の風炉先屏風。これもどなたかのお作で立派なものだったようだが、失念。
薄茶器は独楽の形。
広間のお菓子は、柏餅!と思いきや、あのお餅は茶席で食べにくいということで、大先生が特別に和菓子屋に作らせて、柏の葉を開くと白い練りきり!中はこしあんの柏餅なのだった。
なんて心づくしなんでしょう!
最後の茶箱席は、花結界とおっしゃっていたか、点前座のすぐ前に竹がならんでいて、そこに紫陽花が挿してある。
野点を彷彿とさせる設いに、最後の席としての和みを感じた。
お軸は、大先生の帯の裂地に、五月雨の中、畑仕事をする農民の姿を描いた墨絵。
お菓子は茶箱なので、ふりだしから金平糖をいただく。ころころ転がるのがまた楽しい。
各茶室とも、お点前はお弟子さん、半東は、おそらく代稽古の先生方がつとめられていたのではないか。
すべての先生方のお顔を存じ上げないので確信はもてないのだが、でも、お道具の説明から、お客様との会話まですべてとてもスムースかつ内容があるのだった。会話を聞いているだけでも勉強になる。でも全部は記憶しきれない。残念っ!
全体を通じて、テーマとして浮かび上がってくるのは、大先生のお茶一筋の道のり、だろうか。
初めて参加させていただいた社中のお茶会だったが、これから精進していく道筋を示してもらったような、身が引き締まるような、そんなお茶会だったと思う。
感謝。