華厳茶会@東大寺2015

献茶式と同時に東大寺の様々な場所で華厳茶会が催されました。
案内状には、
第三十四回 華厳茶会
拝服席 席主・裏千家今日庵(本坊奥之間)
東大寺席 席主・東大寺(真言院境内勧学院)
副席 席主・細見美術館(大仏殿西庭集会所)
施茶釜 席主・淡交会奈良青年部(大仏殿東回廊)
点心席(東大寺本坊)
とありました。
U先輩ご夫妻、Sさん、Kさん、私の5人で、献茶式が始まる前に副席(大仏殿のお隣で開催)にまず入りました。しばらく並んで待ってから、案内されて席入りすると、何と鵬雲斎大宗匠が来られる、今こっちに向かって歩いてる、と業躰さんたちがにわかにばたばたとなり、正客席から5人分くらい空けて!と言われてぞろぞろ移動。
皆さんでお待ちしていると、鵬雲斎大宗匠とたぶん東大寺のお偉いお坊さんやその関係のご婦人がた5名様ほどでお席入りされました。
席主は細見美術館の館長さんということで、お軸は明恵上人のお手紙を軸装したもので、なでしこ文書。なでしこを所望する内容で、でも結局は手に入らなかったとか。なので、お花はなでしこ。花入れは根来塗りの薬罐(?)。お香合は、蓮の花びらをかたどったもの。お水指は七宝だとか。薄器は薬器を茶道具に見立てて使っていた。薬籠?お点前はたぶん館長さんの奥様で、京都の芸妓さんか梨園の奥様かとおもわれるような美しい方でした。
大宗匠と館長さんの会話も楽しく、何て言うんでしょうか。鵬雲斎という人は存在そのものがもうすでに超人で、体から満ちあふれるようなポジティブなエネルギーがあって周りがそれに満たされてしまい、みんなが惹き込まれてしまうのでした。
副席のお茶席を堪能した後に献茶式。献茶式が終わった後、今日庵席に伺った。
お庭が美しい!
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今日庵席は業躰さんがお点前のお濃茶でした。3人ずつのお濃茶点て出しもスムースで素晴らしい。何よりお点前が美しく、まさにお手本。
今日庵席のおとなりには点心席が設けられ、辻留のおいしいお弁当に、赤だしおみそ汁までつけてくださって、あれだけの人数のお客様をさばくのは本当に大変だったことでしょう。
ここで、Uさんご夫妻と別れて、私はSさん、Kさんにくっついて東大寺席へ。
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こちらは東大寺のお坊さん達がお勉強する場所「勧学院」を借りてお茶席をしつらえてありました。東大寺学園にお子さんを通わせていた&通わせているお母様方のご奉仕だそう。
お坊さんがとちゅうからお出ましになりお話してくださったのが面白かったです。
真台子の両側に蝋燭立てがついていて蝋燭をともし、真台子の上には紙で作った椿の花。二月堂に古い椿の木があるそうで、花だけ作り物で枝は生木。お花を作るのも修行と伺いました。なるほどー。
勧学院でのお茶席は私たちが最後だったようで、お席を出るときにはもう外の待合用に並べてあったいすの撤収が始まっていました。3人で二月堂を見物して(疲れたから上までは上らず)華厳茶会の〆としました。
夢のような一日でした。
毎年華厳茶会には記念品が配られます。今年は茶杓。東大寺221世別当筒井寛昭大僧正の箱書きつき。立派なものをいただきました。
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コメント

  1. より:

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    根来の薬缶(?)は、水注(すいちゅう)ですかね。
    通常は使わないものですが、中世あたりから仏事で青銅製の水瓶(すいびょう)と平行して根来塗りの水注も使用されるようになりました。
    お茶事での花生は漆関係だと通常「漆桶」がよくつかわれますが、場所柄違うだろうなあ

  2. minaho より:

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    いらっしゃいませ>な さま
    本当に薬罐のような形だったんですよ。確かに水つぎとしてつかっていたのかもしれませんが形がぷっくりと大きくて(六角形か四角形のように見えました)口は小さくなっていて大変面白いものでした。花入れにしては(そして水つぎとしても)でかすぎるだろうっていうくらいw。(仏事ではすいちゅうと言うのですね)
    写真撮るのは憚られたので撮らなかったんですが、蛮勇をふるって撮ってくれば良かったですね(笑)

  3. より:

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    いまごろ気づきましたが聖武祭じゃないですか。
    ってことは全部仏事関係でまとまっているはず。
    明恵上人しかり。
    (どうでもいいことですが、うちの母親はそのお手伝いイベントを欠席しています。祖母は行ったのかなあ。)
    たぶん根来の水注はその形なら間違いなくそれだと思います。細見さん好きそうだし。
    「薬器」は「六器(ろっき)」かなあ。
    七宝の水差しがあまり想像がつきません。近代ならありそうですが。
    あと、どっかに「華籠(けご)」(散華を蒔くときに使う入れ物)は使われていませんでしたか。
    仏事関係の定番茶道具なのですが。
    普通にお茶をされる方が見慣れない道具をどう表現されるか、とても興味深く読ませていただきました。

  4. minaho より:

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    華籠、まったくわかりません(><)
    薄器は焼き物でまるで大海(茶入)のように見えました。一瞬ここは濃茶席?と思いましたから。
    館長さんの説明で薬を入れる器だったと伺って、なるほどと思ったのでした。
    水指は本当にきれいなブルーで曼荼羅のような細かい模様が描かれていました。形は四角。共蓋でした。お話では、ほかに塗り蓋が二つ(取っ手が水平なのと斜めについているのと)あるそうで、つまりひし形に置いて使うこともできると。それはそれでまたおしゃれだろうなと感じました。中にガラスの器を入れてそこにお水を張っていました。古いものだから、とのご説明でした。