毎年恒例、大先生ご本宅での春の社中懇親茶会が催された。
土曜日クラスはこのところ広間薄茶席が続いていたが、今回は小間濃茶席の担当だった。
大先生ご本宅の小間は台目席になっている。お稽古場の小間席は又隠席の写しだったが、ご本宅の小間席はどこの写しなのだろう。調べてみると深三畳台目という形式と同じようなのだが。今度先輩に聞いてみよう。
床の間の掛け軸は春屋宗園(しゅんおくそうえん)の「喝」。最初にお道具組みを聞いたとき、喝という言葉のイメージから、すごく大きな太い喝の字を想像していた(棟方志功の華厳みたいに)。しかし実際は、小振りで、非常に静かな雰囲気をたたえた文字だったのだ。文字の大きさに頼んだ迫力ではなく、小振りできりりとした静かな「喝」。却ってその方がずっと「喝」の意味が心に迫ってくる。このお軸に込められた大先生のお気持ちをみんなで考え、それぞれ自分は何に喝を入れたいのか(入れられたのか)思いを巡らせる濃茶席となった。
お花は代稽古のHさんが持ってきて下さった紅白の鯛釣草(ケマンソウ)。香合は唐物写しの青貝(螺鈿)。六角形の美しい香合だった。和巾の元となった裂地(らしい。渦七宝紹巴)の写しで作った古帛紗と仕覆、中次茶入も荘られていた。この裂を大先生は鵬雲斎大宗匠からいただいたそうで、あの友湖に頼んで仕覆と古帛紗に仕立ててもらったのだとか。そのあたりになってくると、私には全く縁の無い遠い世界のことのように感じられてくる・・・(^_^;)。
さて、濃茶席は薄茶席と違って点て出しのお茶も一碗かせいぜい二碗(今日は全部で9席行われたが、すべて点て出しは一碗だけだった)水屋もせまいので、一人が水仕事及びお茶を練る係、一人はお菓子を盛りつけたりお点前さんのお世話をしたり茶室の中と水屋の連携を担う役目。茶席に入るのはお点前さんと後見、半東の3名。お点前に入らなければ土曜A班5人のうち一人はフリーになるので、交代で他の席も回らせて頂くことができた。戦場のように忙しい薄茶席とは全く違って緊張感はあるけれど、ゆったりと落ち着いた水屋だった。
私は3分の1は水仕事及びお茶を練る係をして、半東は一回、お点前を一回させていただいた。お点前のときは5人分のお茶を練り、点て出しの場合は3〜5人分を練る。家でお稽古用の抹茶を使って練習していったのと、日曜クラスでいつも最低3名分のお濃茶を練る練習をさせていただいたので、自分で言うのもなんだけれどダマもなく、つややかな濃茶を練ることができたのでは、と思う。
お席の方は、広間席、立礼席の2席を回らせて頂いた。残念だったのは、濃茶席にお客として入ることができなかったことかな。自分たちの席に自分たちもお客としてはいるということをしないと主客両方のお勉強にならないと思うのだけれどなー。残念だったなー。
お菓子はU先輩ご夫妻が懇意にしているお菓子屋さんに特注した白小豆を使った道明寺風のお菓子(葉っぱにはくるまれていなかったので道明寺風)で、とても好評だった。私たちは全席が終わって片付けをする直前にお菓子をいただき、濃茶用の抹茶で薄茶を点てて「おもあい」でお茶を頂いた。お菓子もお抹茶もおいしかった!
観桜茶会と懇親茶会の二つが終わって4月も終わり。なんとなくほっとしたのだった。