炉開き

本来なら先週の土曜日に参加するところだったが、社員旅行のため欠席、本日、月曜クラス木曜クラス向けの炉開きに参加させてもらった。
時間に到着すると、まずはお茶室(小間)にとおされてお汁粉をいただく。水屋の係を務める、おそらく木曜か月曜クラスのA班の方と思われる方が運んでくださる。蓋付きの小さなお椀に、黒文字を載せて一つ一つ正面を改めて置いていく。私なら載っている黒文字を落としてしまいそうなところだが、さすがA班の方。美しい所作で全員のお椀を置き終わり静かに退室。正客席の方がごいっしょに、と声かけされると、懐紙を取り出し前に置く。黒文字をそこに仮置きし、お椀の蓋をあける。と、中には小さなお餅の入ったお汁粉。みなさんの動きに合わせてお汁粉をすすり、黒文字でお餅をいただいた。初めてのことでとにかくきょろきょろしてしまう。茶室にはお軸もかかっていて今回も和歌のようだったが、ちゃんと拝見する余裕も無かった。
お汁粉が済むと、広間に進む。広間と6畳間のしきりが取り払われ、とても広い部屋になっている。すでに広間の方に10人ほどのお弟子さんたちが座っている。私たちはとなりの6畳間に座る。
大先生が入ってこられ、まずは利休さんに呈茶。
半東のn先生が利休さんの前にお供えし、全員で御挨拶、合掌。
そして大先生のお濃茶のお点前が始まった。
初めて拝見する大先生のお点前は、基本に完璧に忠実で、かつ、大変に美しいお点前であった!
一服めを点てられ、お茶碗が定位置に出されると、n先生がお茶碗を取りに出られ、正客に出すのかと思いきや、正面を改めて、今お茶を点てたばかりの大先生にお出しするのだ。「お流れを頂戴いたします」と御挨拶されて。
大先生がお自服されたお濃茶が、代稽古の先生方に回っていく。n先生がお抹茶が定量入っている別のお茶碗を運んでこられ、大先生の前に出すと、大先生が取り込み、もう一服お濃茶を練る。こうして3服ほど練られただろうか。残念ながら、末席に近い私のところは大先生が練られたお濃茶ではなく、点て出しのお濃茶だったけれど、全員がお濃茶を頂きおわると、大先生のお話になる。
まずお床の説明から。楽事萬々歳(らくじばんばんざい)というお軸。これからの大先生の心意気、生き方の方向性を表しているのだそうだ。香合は寅、お花はなんだったのだろう。真っ赤に紅葉した小さい葉っぱと白い小さなお花。正客のお茶碗の説明もあった。萩焼きとおっしゃっていたけれど、後で拝見すると、萩とは思えない柿色の年季の入ったお茶碗だ。向かい側のお軸には、延寿軒とある。おそらく前宗匠のお筆だったと思う。大先生のご主人が建ててくださったこの建物全体の名前だそうだ。庵ではなく軒。複数の広間と小間を擁する建物だからだ。
その後、A班でお稽古している人たちは、広間へ、その他の人たちは広間につづく6畳間に集まる。これから全員で、「回し点て」を行うのだ。一人がお薄茶を点てると一人がそれをいただく。お茶を頂いた人はお茶碗を返したら、そのまま立って点前座にすすみ次のひとにお薄茶を点てるのだ。
n先生が指導してくださる中、十数名の回し点てが終了した。私ももちろんお稽古させていただいた。が、緊張して、お茶筅の置く位置を間違えるわ、お茶椀の拭き方を間違えるわ、ミス連発。n先生は、「緊張するし、この間まで風炉だったんですものね、できることもできなくなっちゃうわよね」と優しくフォローしてくださったが、情けないやら恥ずかしいやら。
その後、食事になる。お赤飯と焼き御握り二つと大きなかき揚げとお新香。これらを紙皿に盛りつけして、全員に行き渡らせる。そして全員で頂いて、会はお開きとなった。
大先生が今日話したことを全部覚えて自分でも調べて勉強するのよ!と仰っていたけれど、せっかく伺ったお道具の話はほとんど頭の中から抜け去ってしまった。ああ。
炉開きは、お茶の世界のお正月で、今日から今年のお稽古が始まるのだそうだ。気持ちを引き締めて、1年間しっかり修行しようと思ったことだった。