一ヶ月早い炉開き。いつもより30分早く8時に到着。畳拭きのほかお昼の麦茶を作ったりして、少しだけ働かせてもらう。(ほとんどすることがなかった!(;゜ロ゜))
私が入門して最初の炉開きまではまだ先生の本宅で、おもちの入ったおしるこが出て、大先生がお点前をなさったが、その次の年からn先生に「相伝」することになり、おしるこも廃止されてしまった。さみしいことだけれど、仕方がない。
別席で主菓子をいただいたあと、席入り。総勢30名ほど。n先生が点前座に進み、まず利休さんに供えるお茶を用意する。特別なお茶碗にお抹茶をいれお湯を注ぐだけ。そのお茶碗を半東役のUさんが床の間に運ぶ。全員で合掌。
そのあとはn先生による、炉の濃茶の点前。美しいお点前に見とれる。
二服目の濃茶を点てた後、茶碗のよごれを茶巾で少しぬぐい、水指の蓋の上にもどした瞬間、大先生から、茶巾はまっすぐ置いて!と厳しい一言が飛ぶ。
n先生すぐに手を伸ばして茶巾を直そうとしたその手が、なみなみと抹茶の入った茶碗に当たる。
あっというまに濃茶が点前座水指の前にこぼれ、池のように濃い緑が広がる。
真っ青になるn先生。席入りしているお弟子さんたち(含む私)も息を呑む。
が、すぐ水屋に立とうとするn先生を大先生が制し、仰った。
「ほら、お茶の世界がこんなに広がって。このお抹茶は縁起がいいわ。さ、そのまま残ったお茶にお湯をそそいで、お茶を点てて、出しなさい。」
凍り付いた席が一瞬にして和んだ気がした。
畳にこぼれて広がった濃茶をご覧になって、世界地図に見立ててお茶の世界が広がったと表現し、その場の雰囲気をがらりと変えてしまう大先生。本当に本当に感服してしまった。
二服目のお茶を飲んだお弟子さん達約10名は、濃茶ならぬ薄濃茶を飲むことになったけれども、縁起が良いお茶を飲めて幸せだったのだ。
その後、末席に控えていたA班のkさんがタオルをもってきて畳のお茶をきれいにぬぐい、三椀めは水屋から点て出しを持ってでていらした。A班の方たちのこうした素早い動きにも本当に感心してしまった。とても良い勉強をさせていただいた。
n先生が仕舞い茶碗を受け取り、お仕舞いに入る頃に、大先生がおっしゃるには、
昔、自分の先生が亭主を務める席に半東としてはいったとき、正客が扇子を炉中に落としてしまったことがあった。扇子の漆が溶け出て釜についてしまったら大変、と思い(私の釜だったんだから!)、水屋にもどり火箸をもって再度入って、炉にすっと長火箸をさしこんだら、一発で落ちた扇子にとどき、扇子をつかんでそのま水屋に下がり、何食わぬ顔でまたもどって半東をつとめたのだそうだ。茶席が終わって、正客の方に扇子をお返しすると、ご本人、扇子を落としたことにも、大先生が火箸で扇子をすくい上げたことにも気付いていなかったのだそうだ。もちろん亭主をされていた大先生の先生も気付いていらっしゃらず、そんなことがあったの?と大先生に尋ねられた。
大先生曰く、半東はそれくらい胆力がないとダメ。お茶をこぼしたくらいで慌てちゃだめ。陰のことは陽で返す。お茶がこぼれたんじゃない。お茶の世界が広がったの。と。
その後、AルームとBルームに分かれて回り点てでお稽古をする。私は今回はAルームの方でお稽古させていただいた。お点前座の前には大先生がいらっしゃるので、やっぱりとても緊張してしまった。
お茶碗は、大先生のご主人が大好きだった富士見焼のお茶碗。富士見焼というのは、富士山の土で焼いた焼き物で、今はほとんど作られていないそうだ。半筒とおっしゃっただろうか。小振りなのだが深さのある渋いお茶碗で、白い富士山が小さく描かれている。
お昼は20名ほどのお弟子さんたちが残って一緒にいただいく。今年はお赤飯ではなく、助六寿司でかんぴょうの海苔巻きにお稲荷さん。いつもお赤飯を持ってきてもらっていたお店が廃業してしまったのだそうだ。時は移り変わる。
お昼が海苔巻きと聞いていらしたUさんが、お祝いの席だから(海苔巻きだけじゃさみしいでしょ?)と、ご自宅で柿膾を作ってつぼつぼの小さな器まで持参してくださった。
柿膾、大変美味しくいただいた。
お片付けをして、帰宅したのは2時過ぎ。いつもよりは早い帰宅だった。
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オマケ
今日の着物は、着物熱にかかった最初のころにヤフオクで落札した古布紬の色無地(アプリコットブラウン)と、先日購入した紹巴織りの名古屋帯。
着物の色合いが、旅館の仲居さんみたい、と家族に言われたけれど、帯が良いので仲居さんではなくなったかな?でも着物が帯に負けているような気もするなぁ。(ああ、良い色無地ほしい(笑))
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コメント
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炉開き1ヶ月早いのね。
それにしても大先生のお言葉・・流石!
そういえば、今日のお稽古で明後日の東京大茶会にお点前をする姉弟子さん達に、先生が
「手順を間違えたからと慌ててはダメ。その場で堂々と続けること。慌てるとお客様に迷惑をかけます。間違えを正しく見せるのも大事です。」というようなこと仰っていました。
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いらっしゃいませ>くぷぴさま
炉開き本当は11月ですよねぇ。
今年は11月4日に社中のお茶会なので、一ヶ月早めて炉のお稽古に入るんですって。
去年まではお茶会は11月下旬だったんですけど。。。
>慌てるとお客様に迷惑をかけます。
ホントにその通りですね。修行するしかないわぁ。
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茶道の奥深さを感じるお話を聞かせていただいて、ありがとうございます。陰を陽に返す、これはお茶だけでなく、すべてに通じることかもしれませんね。
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いらっしゃいませ>たこあじゃぱさま
>陰を陽に返す、これはお茶だけでなく、すべてに通じることかもしれませんね。
本当にそう思います。
私はこの言葉を聞いたとき、日ごろ我が子に対して発している言葉の数々を思い出してしまいました。私ってば、陰に対して陰でしか返してないじゃないかorz、って。
茶道教室にいるときだけでなく、日常生活でも自覚的に修行していかないとダメですね・・・。
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お赤飯のお店って。。。大根もなかのお店かしら?と心配になりHPをのぞいたら違ったみたいで、ホッとしました。栄泉のお赤飯は家族が好きでよく買いにいきました。 炉開きはお茶のお正月、いろいろ準備も大変だったのでしょうね。 すばらしい社中ですね minahoさんが呼ばれたわけだわー
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いらっしゃいませ>6さま
そうですよ。栄泉にお赤飯頼めば良いのに!
あんまり量が多いうえにいろいろわがまま言うから断られちゃったのかしら。
ちなみに、お稽古のときのお菓子はいつも栄泉さんで、夏場は水ようかんか水饅頭。冬場は大根饅頭です。(いつも同じなのだorz)
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栄泉・・・ご近所ですものねぇ
大吾も あわ家惣兵衛もあるのにねぇー(笑)
わが社中もお茶事以外は普通の和菓子です
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そうなんですよねー。ご近所に和菓子屋さんがたくさん>6さま
で、お茶会とか炉開きなど特別なときは決まって鶴屋吉信です。(西武から取り寄せてるみたい)